ネジ止め式取り付けは、字の通り「ドリルで壁に穴を開け、膨張ネジや木ネジでスクリーンのスタンドを固定」する伝統的な方法で、ロールスクリーンの安定性を最優先するシーンで最も信頼される選択肢です。特に長期使用を想定する自宅や、重量のあるロールスクリーンを設置する場合には、他の取り付け方式に比べて「脱落リスクが低く、耐用年数が長い」というメリットが突出します。

一、ネジ止め式が最も合うシーン
ネジ止め式は「壁を一部加工する」ため、以下の条件に当てはまる場合に優先的に選ぶと良いです。
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自宅・長期居住物件:退去時の壁面復元が不要で、「一度取り付ければ長年使える」安心感を求める場合。
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重量のあるロールスクリーン:厚手の遮光素材、大サイズスクリーン、またはオフィスの工程用スクリーンなど、自重で位置ずれしやすい製品に最適。
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耐力のある壁面:コンクリート壁、タイル壁、木造住宅の柱や梁など、ネジの保持力が高い場所(空心壁やグラスウールボード壁は不向き)。
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高頻度使用エリア:キッチン(油汚れや湿度が高い)、浴室脇の窓など、振動や環境変化があっても固定力を維持したい空間。
二、ネジ止め式の取り付け手順(初心者でもできるステップ)
工具さえ揃えれば、複雑な技術は不要です。事前に「壁の内部に配管・配線がないか」確認するのがポイントです。
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位置決めとマーキング 巻尺でロールスクリーンの幅を測り、壁面や窓枠にスタンドの取り付け位置を決めます。両端のスタンドはスクリーン端から離し、中央のスタンドは間隔で配置(受力を均一にするため)。鉛筆で薄くマーキングし、水準器で水平を確認します。
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ドリル準備と安全確認 スタンドに付属のネジサイズに合わせたドリルビットを選び、電気ドリルに装着します。壁探知機で配管・配線の位置を確認し、マーキングした場所が安全か確認します。
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穴あけ作業 ドリルを壁面に垂直に当て、低速でゆっくり回しながら穴を開けます。深さは膨張ネジの長さ+2~3mm(例:5cm 長のネジなら 7cm 深さ)が理想で、壁を貫通しないよう注意します。穴の中のゴミはブロワーや筆で取り除きます。
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ネジでスタンド固定 穴に膨張パイプ(プラスチック製)を打ち込み、スタンドの穴を膨張パイプに合わせます。ドライバーでネジをゆっくり締め付け、スタンドがガタつかないように固定します。全てのスタンドを取り付けた後、もう一度水準器で水平を確認します。
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ロールスクリーン本体の取り付け スタンドのフックやレールに、ロールスクリーンの軸を嵌め込みます。手でスクリーンを上下させ、昇降がスムーズか、ガタつきがないかテストします。
三、ネジ止め式のメリット・デメリット
区分 | 内容 |
✅ メリット | 1. 固定力が強く、長期使用でも位置ずれや脱落が少ない 2. 重量・サイズを問わず対応可能(大サイズ・重いスクリーンに最適) 3. 湿度や温度変化に強く、耐用年数が長い 4. スタンドの角度調整が容易で、精密な取り付けが可能 |
❌ デメリット | 1. 壁面に永久的な穴が残り、後で取り外したら補修(パテ埋め・塗装)が必要 2. 空心壁やグラスウールボード壁では保持力が弱く、使用不可の場合がある 3. 電気ドリルや壁探知機などの工具が必要(工具がない場合は購入・レンタルが必要) 4. 作業ミスで壁面を傷つけるリスクがある(初心者はテスト用の木材で練習すると良い) |
四、ネジ止め式のヒント(失敗を避けるコツ)
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ネジを締める時は「急いで強く締めない」:過度な力でネジが折れたり、壁面が崩れたりすることがあります。
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木造壁の場合は「木ネジを使用」:膨張パイプは不要で、直接木ネジでスタンドを固定するとより安定します。
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後で修復しやすくするため:穴のサイズや位置をメモしておき、将来取り外す時に同じサイズのパテで補修できるようにします。
ネジ止め式は「壁を加工する手間」がありますが、長期的に見ればロールスクリーンの安定性を最大限に引き出せる取り付け法です。自宅の壁面条件と使用目的を確認して、適切に選んでください。